アルバムを出すごとにシーンに変革を及ぼしてきたFlying Lotusは、前作では「宇宙」を探求したが、最新作は「心の宇宙」を探求した新境地。前作よりもメロウな曲が目立っており、心の世界へと誘う「間」と「静けさ」が極上のドリーミーなトラックに注入されている。宇宙的母性を放つErykah Baduをフィーチャーした"See Thru To U"は必聴。幻覚剤をテーマにした"DMT Song"を聴いていると、本当に異次元にトリップしたような感覚に襲われる。このFLのエポックメイキングな作品は、間違いなく2012年を代表する一枚。
「Low End Theory」のスター的存在、Gaslamp Killerのデビュー・アルバムは、彼のボーダーレスなDJプレイと同様、ダブステップ、ヒップホップ、サイケ、ワールドミュージックがシームレスに融合されている。Flying LotusのレーベルBrainfeederに所属する彼は、Daedelus、SAMIYAMなど最前線のビートメイカー、ストリングス奏者のMiguel Atwood-FergusonなどLAや世界のミュージシャンとコラボレーションをし、2012年のLAの最も旬なサウンドを作り上げた。トルコ・サイケを思わせる"Nissim"が必聴。
CommonやMACY GRAYなどのボーカリストのドラマーを務めながら、ジャズ界のトップ・アーティストとも共演してきたKarriem Rigginsは、デトロイトでJ Dillaと共に育ち、直々にヒップホップ・プロダクションを学んできた異色のアーティスト。Stones Throwからリリースされたこのデビュー・アルバムは、通常の"ジャズ・ヒップホップ"の定義を超越し、ジャズ・ドラマーの視点から作られ、真の意味でジャズとヒップホップをシームレスに融合させている。