「惠くん、ごめんやけど、もうこのカバンの縫製終わってしまってな。次はどれに取り掛かろうか」
新しく入ってくれたベテラン職人さんだ。
「え?早いですね!」
僕らには嬉しい悩みも増えた。
人数が倍近くになったこともあり、作業効率が格段に上がった。
それにより、今まででは倍以上の時間が掛かっていた縫製の作業時間が半分以上も短縮されて予想以上にカバンを仕上げる事ができる。
その分、僕も資材発注などを計画的にやっていかないと職人の手を余らせてしまうことになるので十分に工場の作業内容を見て、配慮していかなければならなくなった。
「(頑張らなきゃな!)」