#1. Nas『Illmatic XX: 20th Anniversary Edition』
2014年は昔死ぬ程聴いた歴史的アルバムのリマスター盤やハイレゾ作品を良く聴いた年でした。その中で、このNasの1st アルバム20周年記念盤となる『Illmatic XX』は、自分がソロマイカーとしての基本と理想を学んだオリジナル・アルバムのリマスター盤と共に、CD2には、かつて高額で取引されたプロモバイナル盤のみで聴けた未発表曲やリミックス音源等が収録されていて、時代は便利に流れていくのだと言う事を実感しました。
#2. 宇多田ヒカル『First Love -15th Anniversary Edition-』
自分が生きるこの時代の国内音楽史で、誰もが知っているであろう日本で最も売れたCDアルバムであり、邦楽と言われるポップカルチャーのトップに君臨し、他の追従を決して許さない絶対領域にある存在感。その象徴である本作が現在求める最高品質の音と鳴りは、祈りに近いピュアな情感の浸透率を極限にまで高め、聴く側の心に否応無しに浸食してくる。自分もいつかは辿り着きたいと想う最果ての地が瞼に浮かぶ極めて不思議な作品。
#3. John Lennon『Imagine』&『Power To The People - The Hits』ハイレゾ配信
両アルバムとも初見はカセットテープだったか? 記憶が曖昧だが、幾多の時を越え常にアーティストと呼ばれる種族の守護神として、個人で世界の不条理と戦うその姿は、現在の人類が抱える問題を高画質(ハイレゾリューション)に浮き彫りにし語りかけてくる。死してなお生き続ける作品の先見性と、その作品を蘇らせる使徒のテクノロジーに敬服し、デジタルと言うカタカナの可能性の広さを実感しました。
がしかし、個人的にはアナログのあったかい音がこよなく好きであるのは言うまでもない。と言いながら、来年はハイレゾ関連のオーディオ機器を掘ってみようとも思う。まったく人間は我が侭な生き物だ。