• #1.Ben UFO 『RA Live - 28.04.19 -

    正直今年は色んなDJのMIXをとにかく聞いた年でした。今まで自分の中で体験でしかなかった、DJの強さについて改めて見つめ直す期間だったからです。国内外のツアーやフェスを経て初心者から玄人までいる空間の中で、曲を単体でプレイリストで聴くという行為の先を明らかに提示する必要がありました。慣れていない人を持ち時間フル尺離さないというのは、我々のハウス/テクノをベースとしたDJにはマストなスキルでありながら、鍛錬だけでは養えない研ぎ澄まされた感覚が必要だと毎回思い知らされます。クラブでDJする側も聴く側もとにかく日々経験し、日常生活と移動はMIXを聴いて、感覚を合わせていきました。そんな中で、今年のRainbow Disco Clubで体験したBen UFOは別格でした。一言で言ってしまえば、四つ打ちとベースを絶妙な塩梅で駆け巡るUKスタイル……なんですが、ツアーを控えた私がみんなで大騒ぎしたという思い出も込みで、もはやお守りのようなものです。説明不可。DJをしている最中の記憶はどこか夢のようで、自分もそれ以外も全てがハマる時は次の曲を無意識にかけていたりします。でもふと迷いが生じた時に、このMIXを思い出します。それは流れや技術じゃなくてマインドの問題、”Ben UFOを自らに降ろす”と呼んでいました。そうすると迷いは晴れ、今必要な音の要素がふと浮かぶのです。私もそんなDJをできるようになる。

  • #2.Lapalux 『Amnioverse』

    なんか毎年LapaluxばっかLapaluxばっか聴いてる気がするけど、このアルバムは期待を裏切らない、ナイスなアップデートがなされた良いアルバムでした。Lapaluxの溶けるようなハイブリッドのアンビエントにモジュラーを活用したダンスミュージック感、壮大な音のチョイスに紛れる聴いたことのない音。バランスが素晴らしく、ぜひライブセットが見たい。

  • #3.Kode9 『Uh/OK』

    そしてまさかの、今年の私のDJアンセムは2013年のリリースという……。今年はとにかく2010年代のUKポストダブステップが気分で、時代的にもUKなハネ感をミニマルなリズム体で、みたいな流れがあり、リリースが多かった。私もニューリリースのポストダブステップやミニマルガラージなど、かなりお世話になりましたが、その大元としてのKode9大先生。今年一番気分でした。今年はかなり日本に来ていたのにスケジュールが合わず、全然ご一緒できなかったので、来年は波長を合わせていきたいです。