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選んでくれた人

沖野修也

作曲家兼作詞家時々DJ

http://www.extra-freedom.co.jp/ www.kyotojazzmassive.com
  • #1.Moodymann 『Taken Away』

    安易に”黒い”という言葉は使いたくないけれど、デトロイトという街で、その街”ならでは”の音楽を作り続けるMoodymannからいつも目が離せない。TribeというDeepなジャズ・レーベルやMotownというキャッチーなソウル・レコード会社の延長線上にあるハウスやテクノの作り手として、彼は、サウンドを劇的に進化させつつもそのスピリットや質感を忠実に継承しているのだと思う。磨けば磨くほど美しくなると言われるマホガニーの如く、その赤褐色は更に暗く深化している。

  • #2.Bently 『Ford Pliner』

    名も知れぬアーティストに何処で出会ったかは忘れた。彼らが誰だかも知らないし、有名かどうかも気にならない。時代の音かどうかも僕にはわからない。好みのコード進行と寡黙な佇まいが、ただただ今の自分にフィットした。今年はアーティストのアルバム全体より曲単位の評価を優先させるDJとしての審美眼がすっかり衰えた替わりに、1枚を通して聴く喜びを30年振りに噛みしめることが出来た。年末の振り返りで再発見した彼らの事を今から探し直してもいいかもしれない。

  • #3.Jeff Parker 『Suite for Max Brown』

    音響派 / ポスト・ロックにはあまり興味のなかった僕が、Jeff Parkerに辿り着いたのは、Makaya McCravenと彼が所属するレーベル、International Anthemのお陰だろう。Makayaがアルバムに参加し、同じレーベルからリリースされたJeffの作品を手にするのは自然な流れだった。Tortoise(位は流石に僕でも認識している)にJeffが居たのを知ったのは今年のこと。しかも、知った時にはTortoiseの来日公演が終わった後だった(苦笑)。本人名義でいつか戻って来て欲しい。いつのことになるかさっぱり見当はつかないけれど。