2014年4月・大阪
13.「いつも始まり・・・」
BASE大阪と名前が付けられた、僕らの工場。
あの日から六年近くが経とうとしている。
僕らはあれから随分と成長した。
変わったと言えば、西田くんは現在四人を率いるサンプルルームのマネージャーになった。
専門学校から新卒で入社していた桂くんもいっぱしの職人になり、若いファッションに対するアンテナを活かして積極的に新しいアイテムのサンプルを形にしている。西田くんがテキパキと指示を出して、サンプルルームの職人たちは日々忙しくサンプルを縫っている。
僕は生産管理として、工場のスケジューリングを調整しつつ、資材の発注などで相変わらず忙しい日々を過ごしている。
人数が増えて、生産数も増えたから本当に気が抜けない。
一番変わったのは鶴川くんだろうか。
二年前から本人の強い意志もあって、工場長に就任した。傍から見ていてもかなり努力していた。今では、周囲の工場を巻き込んでなんとか日本の工場を盛り上げていくために活動をしている。
他にも、新しい若手職人も増えた。
桂くんが入ってすぐにマスターピースのお店から石原くんが入ってきた。
ショップで働いていたのだけど、職人に興味を持ち、その強い意志からBASE大阪に入ることになった。
桂くんのように専門学校から入ってきた和田くんもいい感じにファッションへのアンテナを持っている。