Liquor,woman&tearsという名前をつけたのは、たぶんPOGGYくんこと小木くんだろう。
お店の名前のとおり、人間くさい小木くんの価値観には「服」が好きでたまらないとういう気持ちと同時に、服を着る「人間像」をかなり濃めに設定したかたちがセレクトにあったと思う。
その中には、暑苦しいぐらいの男臭さと、服バカさと、どこか偏ったこだわりの人間像が存在していながら好きな物や人、物事にはひたむきに進むジェントルな男性像への発信が感じられた。
そして小木くんがチョイスしたアイテム達は、このお店でとてもスペシャルな空間をつくり、常に独特な存在感をはなっていて、知ってるアイテムでもなんだか新しいものを見つけた様な感覚に陥る謎のこの空間は、自分のなかで東京一番のお気に入りセレクトショップだった。
海外の様々なメゾンブランドから、東京発の個性的なブランド、LWTのオリジナル、と幅広く展開していながらお店のティストがしっかりとある数少ないセレクトショップで、中でも国内ブランドのチョイスに独自の視点を感じた。
東京でファッションをベースに仕事をする自分にとって、国内ブランドの存在は気になるところで、同時に盛り上げて行きたい気持ちもある。
お店で見られるチョイスや、コラボアイテムなどを見ては自分も頑張ろうと熱い気持ちになったり、応援したりしたくなったり小木くんの視点からまた新しい価値観をイメージしてみたりと…勝手な構想をいろいろと繰り返していたもので、、、、、、、
こんな超お気に入りのFASHION CLUBが閉店することを聞いて、とてもさみしく残念に思う。
なんら問題なく気に入っていたお店に対して、悪かった事をイメージするのは難しい。スタッフの接客も類を見ない熱心さで、おもしろがってお店に通い過ぎたがゆえ、LWTチームに情さえ持つ始末だし、あのコンパクトなスペースで繰り広がる、半ば強引さを感じるセレクトさえも微笑ましく貴重な存在として思っていた。
なのにファッションでさえも需要と供給のしくみを、更に現実的に受けとめないといけない時代という事なのだろうか? 妄想と現実をうまくやっていく事はLWTチームだけではなく、これからの自分達含めたみんなのポジティブな課題だと思う。
そんな時代の中で、それでもスペシャルな存在を放ち続けるであろうこれからの小木POGGYくん率いるLWTチームに更なる期待をしたい。
坂元 真澄 / スタイリスト